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成績UPの鉄則

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速さに『み・は・じ』は使っちゃダメ?

こんな記事をみました。

大学生が「%」をわからない日本の絶望的な現実 https://toyokeizai.net/articles/-/278180

簡単に言えば、大学生の約半分が「%」を正しく使いこなせないっていう話です。
そうですね!同感です。
指導していて私の感覚的にもそんな感じ。
中学生で「%」が正しく使いこなせているのは3割程度。
分かっているように見せかけている生徒はもう少し多いですけどね。
大学生で5割というのは、私としては納得の数字です。

記事にも書いてありましたが、
速さの問題を「み・は・じ」とか「き・は・じ」って書く解き方ありますよね?



確かに、勉強が苦手な子にとってはとても楽な公式です。
当てはめるだけで答えがでますからね。
割合も「く・も・わ」なんて似たような公式で教わった子が多いです。

でも、本当にそれでいいのかな?って思うことがたくさんあります。
ただ数字を当てはめるだけなら、コンピュータにでもやらせておけばいいワケです。
数字を当てはめるだけなんて、
今、ニュースなどで一番言われている『AIにとって替わられる』最たるもの。
受験や社会で求められている『思考力』とは真逆の発想です。

何となく公式に当てはめることで、表面的には点数を取ってきた子も多いです。
「決して理解力が無い訳ではないのに、もったいない指導を受けてきたな…」
と残念に思うことが、しばしばあります。

今までも何度も話をしてきましたが、
『割合』や『比』の感覚を正しく持てなかった時点で、高校の理系はまず無理だと思います。
小学校までは「公式、公式、公式!」で何とか乗り切れても、
中学校では半数の割合の問題が解けなくなり、高校はほぼ解けなくなります。

そうなると苦手になるのは数学だけでなく、確実に理科も苦手になりますからね。
理系進学することは厳しいでしょうし、
文系に進むにしてもセンター試験で数学が必要となる国公立大は厳しいと思います。

中学2年生の1次関数で習う「変化の割合」だって、
そもそも、その「割合」が分かってない状態だったら、理解が大変なわけです。
そうすると結局、また公式に頼ります。



割合が分かっている子にとって、こんな公式は覚える必要すらありません。
「え?別に普通に考えればいいんでしょ?」って言われておしまいです。

逆に、割合が苦手な子にとっては、この公式がすべてです。
意味を正しく掴む前に、数値を当てはめ、ムリヤリ求めます。
数値は出せますが、その数値の意味が掴めないとこんな公式すぐに忘れます。
それこそ「理解」とは無縁な学習になっていますから、
ちょっと問題をひねられるともうお手上げです。

だからこそ、小学校の算数を正しく理解させることが、
中学校・高校の勉強をスムーズに進める上で超重要。


「別に中学校に入ってから、割合や比をしっかりと勉強しなおせばいいんじゃない?」
って思いますよね?
もちろん、その通り!ぜひともそうして頂きたい!

ただ実際のところ、中学校の勉強は5教科に増え、部活もあり時間的に結構シビアです。
英語も勉強する。
数学はどんどん先に進む。
理科も社会も国語も、毎日新しい単元、新しい言葉、新しい情報が入ってくる。
学校が終わればさぁ部活だ!
その上で、割合を理解させる余裕を作るのは、本人の覚悟がメチャクチャ大事ってこと。
YouTubeなんて見ている場合じゃあございませぬな!

割合がバッチリ分かっている状態で「方程式の文章題」を指導するのと、
割合がピンと来ていない状態で「方程式の文章題」を指導するのとでは、
1問を指導するのにかかる時間が雲泥の差です。

そうすると、それぞれの生徒に「方程式の文章題」を指導するだけでも、更に差が開きます。
1人の子が1問解く時間で、5問練習してる子もいるわけです。

ただでさえ負担に感じやすい文章題なのに、もし割合がつかめていなかったら…
本人としては、文章題が分からないのか、それとも割合が分からないのか、それすら分からない。
俗に言う「何が分からないか分からない状態」の出来上がりです。

もちろん、解決できないことはありませんよ!
ただ、相当の覚悟は必要です。周りの生徒の1.5倍くらい勉強する覚悟です。

私が言いたいことは、じっくり指導できる小学校で割合や比を正しく理解する、
っていうことが非常に中学・高校の勉強リスクを減らすことになり、
逆に割合や比を小学校の間に正しく掴まないと、非常にリスクが高いということなんです。
1単元にかけられる時間が全然違いますからね!小学校と中学校では。
小学校の間に割合や比をちゃーんと掴んでくれると、メチャクチャ私たち楽なんです。
私たちが楽、っていうことは、子どもたち本人も楽に勉強できているってことなんです。

というワケで、小学校の間に「割合」「比」を正しく掴むことは本当に本当に大事。
小学校のテストではなかなか見えませんが、
小学4年生くらいから大きく差は開き始めてますから、是非とも早めの対策を。
もちろん、今、中学生だとしても別に悲観することはありません。
ただ、覚悟をもって努力しましょう!


話が大幅にズレています。「み・は・じ」は悪なのか?ってタイトルですよね?

私の考えをお伝えします。
ちゃんと「割合」や「速さ」の認識を持っている子にとっては、
「み・は・じ」などの公式はとても有効。
ただ、今までツラツラと書いてきたように、公式だけ覚えることはお勧めしません。

中学校も公式のオンパレードですよ!
理科・数学…いろんな場面で公式が出てきます。
もちろん、中には「球の表面積」みたいに中学生では絶対に理解できない公式もありますから、
それは暗記するしかない。でも、極力最小限に抑えましょう。

「円の面積=半径×半径×π」は覚えるしかありません。
でも「おうぎ形の面積=半径×半径×π×a/360」は覚える必要がありません。
きちんと公式ではなく、理解で解けるようになって欲しいです。



<ちなみに…>
円の面積=半径×半径×πである説明はこちら。
https://www.youtube.com/watch?v=Q0lDZYLf8GM&feature=youtu.be


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